「夜」という漢字を習ったのは小学校2年生のときだったろうか。 こくごのノートに何度も書きながら、この字はおかあさんに似ていると思った。 書けば書くほど、おかあさんに見えてくる。 そっくりだった。 そのころの母はやせて、頬骨が出ていた。 ほお骨の…
こどもたちの命のことを書いたから、必然なのだろう、自分の命のことを考えた。 わたしは長いこと、自分の命を許せなかった。 わたしは、父が別に家庭を持ちながら、母を愛して生ませたこどもだった。 自分がこどもを持ったとたん、その出自をますます苦しく…
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