羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

2015-05-22から1日間の記事一覧

巻き尺

黙ってなにかを観察して、それについて考えて、自分のなかで言葉にする。 わたしは時間のほとんどをそうやって過ごしている。 見たものから以前考えたことを思い出して、またそのことについて考え、言葉を上書きもしている。 観察と言語化からは起きているあ…

いかづち

けさがたの雷は、いまだかつて聴いたことのない音と響きをもっていた。 目が覚めてすぐは、なんの音かわからなかった。 大変なことが起きたのかも知れないと思い、怖くて外が見られなかった。 音の通りの大変なことなら、外を見たくらいではどうにもならない…