羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

2015-12-16から1日間の記事一覧

毛糸の国のアリス

編み物の季節がやってきた。毛糸の手触りに心が安らぐ。母に初めてかぎ針編みを教わったのは、小学校5年生のときだった。「不思議の国のアリス」のアリスを編みぐるみで作った。最初からずいぶん難しい作品に挑んだものだ。肌色の毛糸で顔とボディを編み、青…

ほんとうの…

歌詞でも詩でもコピーでも雑誌の特集タイトルでも、散文だったとしても、そこに「ほんとうの」という言葉が見えると、わたしは白けてしまう。「ほんとうの」それ以外は「うその」なの、と反抗的な態度を取りたくなるのだ。「ほんとうの優しさ」「ほんとうの…