羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

パロディ精神

わたしのペンネームが「ハニーサックル」のもじりだということは最初に書いた。

もじり、語呂合わせ、パロディ、見立て、いいかえ、ダジャレ。

みんな好きだ。

比喩というのはギャグと発想が同じだとも思っている。

真面目一方ではすぐれた比喩はできない。

センスの貧しい比喩はつまらないシャレに似ている。

おやじギャグのほうが、笑わせようとしているだけ志が高い。

 

書いたものでギャランティをもらった最初は、ことわざのパロディだった。

高校1年生のとき。

 

色の白いは一難去ってまた一難。

覆水盆がはよくりゃはよ戻る。

寄らば大樹の陰で斬るぞ。

河童の質流れ。

 

四つしか思い出せないなあ。

たぶん十個は作って、週刊誌に勝手に投稿して載せてもらったのだった。

元ネタはあった。

筒井康隆の小説にあったのだ。

当時は筒井康隆しか読んでいなかった。

 

わたしのパロディが掲載された号を編集部にきたときにもらった「ビックリハウス」編集長が、コラム担当者に、うちでもやっていいですかと聞いて、担当者から承諾をもらって始めたのが「御教訓カレンダー」だった。

だから元はわたしなのよ、といばるが、じつは筒井康隆先生の真似だから強くはいえない。

 

いま、新しいのができた。

 

長いものにはマカロニ。

 

円熟の域に入っているように思う。