わたしの本棚
作家の本棚を撮影した写真集を見たことがある。
作家は読書家。
金井美恵子も「読んだから書く」という意味のことを書いていた。
わたしが読書らしい読書をしたのは小学校の5年生までだった。
志賀直哉の全作品を読んで、それは終わった。
わたしは、文章を書くことだけが好きで、文学作品を楽しむことにはほとんど興味がない。
読書するよりは、外へいってなにかを観察していたい。
人と接して、話を聞いたり、その人のさまを見ていたい。
それらを通じて自分が感じたり考えたりしたことを、言葉にして書いておきたい。
健康関係の本や、美容の本、編み物の本はクロゼットの中に積むほど持っているが、文学作品はいまは一冊も持っておらず、本棚にあるのは岩波国語辞典だけだ。
作家でもエッセイストでももの書きでもない、ただの言葉好き、ということなのかも知れない。
言葉を選ぶことだけが生き甲斐。