羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

わたしの落語史2

中学は女子校だったのだけれど、落語研究会があった。

2年生のときに入会して、中3の文化祭では「堀之内」で高座に上がった。

オレンジ色のウールの着物を着て。

大喜利にも出てアドリブをいい、司会者を吹かせたものだ。

 

「堀の内」というのは、粗忽噺の一つ。

おっちょこちょいの主人公が、お弁当の代わりに枕を、風呂敷だと思って奥さんの腰巻きに包んで堀の内のお祖師様へお参りにいく。

わたしは腰巻きでオチにしたが、元の噺は、お参りから帰って息子を連れて銭湯へいき、息子の背中だと思って羽目板を洗うというオチだったと思う。

 

高校に進むときに文化祭実行委員会に入ることを決めて、落語研究会は辞めた。

経験としては1年半くらいだったが、一度は高座に上がったのはいい思い出だ。

わたしにも落語ができたのだ。

レベルはともかくとして。

 

大学にも落語研究会があった。

受験の前に学園祭を見にいってそれはわかっていたが、女子大で女の子ばかりなのに、男の着物を着ていたので入る気にならなかった。

落語研究会でも女の子らしくかわいくないと。

 

だから大学時代は、落語ファンとして単独行動をしていた。

それについてはまたつづく。