銀座にて
ある友人と銀座のデパートに入った。
二ついって、二つとも地下の食料品売り場しか、いかなかった。
徹底してるなあと思ったが、自分はというと、新宿のデパートで1階の化粧品とヘアアクセサリーと香水しか見ない。
服は一つのブランドだけ、たまにのぞく程度。
地下の食料品売り場では決まったお菓子を買うだけ。
そして喫茶店には必ず寄る。
2回入ることもある。
友人とわたしとどちらが偏っているかというと、どちらも偏っているのだろう。
そして二人とも、それが楽しい。
どんな人にも楽しさと商品を提供するのが「百貨店」というものなのだ。
いまさらながらに感心してしまった。
それとは別に、自分と家族についての考えかたも、女性一人一人で違うのだということもわかった。
彼女はデパートにいても、家族の嗜好をつねに考えている。
家族は、あれは食べない、これは食べない、こういうものでないと納得しない。
そうやって買うものを選んでいる。
わたしは、家族の好きなものをおみやげに買って帰る、以上、だ。
その瞬間以外は自分のことしか考えていない。
自分の好きなもの、好きな雰囲気、好きな情報を取りこむためにデパートに遊びにいっているのだから。
こんな自分でよかった、だって楽しいもん。
そんなことを思いながら、彼女が食料品売り場で思案しているのを見るのも、また楽しかったのだけれど。