羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

願い

ブログの最初のころに書いた「はじまりのとき」。

ここはどこなのか、いまはいつなのか、ここにあるすべてはいったいなんなのか、まるでわからなくなり、なにもかもから自分が遠く離れていく。

それを初めて感じたのが、わたしの「はじまり」だった。

 

いまでも、そうなろうと思って集中すればなるし、なるつもりがないときにもふーっと離れはじめて、すっかり自分が「奥」のほうへきてしまうことがある。

 

周りの人々は遠くなり、わたしだけが見ている夢か幻なのかと思う。

いや、そんなことはない。

一人一人の人に現実がある。

あの人にもこの人にも、そしてわたしにも。

これはその現れなんだと思いなおす。

 

「ここ」にいるあいだに、願いをかけよう。

いま、世界は一つ階段を上がり、災いが去り、幸せが訪れた。

ゆっくりと、景色に溶けるようにしてわたしは「前」へ出てくる。

深呼吸のあとのように、そこはクリアになっている。

 

人の子に、よき明日を。

3月11日を前に。

 

 

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