羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

ブログの親しみ

芸能人のブログを読んだことはいままでほとんどなかった。

とくに興味のある人がいなかったからだけど、きのう、元宝塚花組の蘭寿とむさんを、宝塚スカイステージ(専門チャンネル)で見ながらプロフィールを検索していてブログに飛んだ。


1年前に男役トップで退団した彼女はすでにボブカットまで髪も伸び、すっかり女性らしくなっていた。

写真に引かれて一覧を次々たどって読んでいるうち、芸能人プログの魅力というものがわかってきた。


距離がとても近いのだ。

スマートフォンで写真を撮って、ちょこちょこっと書いてその場で上げる。

わたしたちがSNSやブログでしていることをとむさんもしている。

同じ媒体を使う者同士の近しさ。

これは他の媒体にはないものだ。


彼女が撮っているともだちが、また、宝塚OGだったりする。

去年舞台で男役スターとして「しゅっと」していたその人も、かわいらしいとしかいいようのない女優さんになって楽屋で笑っている。


いいなあ、いい感じだなあ。

胸がほんわかする。


わたしももっともっと心を開いて親しく書こう。

文章を書くことが目的ではなく、伝えることが目的なのだから。


とむさんは「おうちのお花です」ときれいな花の写真を折々に載せていた。

彼女と同じ角度からお花を見て、なにか、女性らしさの根幹でつながるような気持ちになった。


ブログは、人の心を内側から見せる媒体だ。

優しいブログを続けられますように。