mindfulness
ティク・ナット・ハン師が説く「マインドフルネス」。
いま、ここ、に集中して、存在すること。
意識的な呼吸をし、意識的に歩くことで実践できるという。
わたしには幼時から、時間の外に出てしまうような感覚があった。
周りのすべてから遠ざかり、一人きりになっていく恐ろしさと静けさ。
「マインドフルネス」を知って思う。
あれはわたしが知らずに経験していた「いま、ここ」だったのではないかと。
時間の外はいつも同じ場所だった。
何歳のときにも、まったく同じ感覚を味わっていた。
ここでは時間は流れず、雪のように降りつもる。
そんなふうに詩的にとらえることもあった。
いまでも、慣れ親しんだそこへは、すっといける。
まるで隣の部屋のように。
世界のどこにいても、隣の部屋はいつもきっとそこにある。
ハン師ならそれを「浄土」と呼ぶのかも知れない。
一歩ごとにあなたは浄土に「着いて」いるのだから、どこへ急ぐ必要もない、という一文があった。
隣の部屋こそ自分の部屋で、そこではなんでもできる。
今夜は祈りを捧げよう。
愛する人たちの健やかな眠りのために。