羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

はこうよ、スカート

街で見ていると、女性のほとんどはパンツ姿だ。

女子大生以上ママ未満ではスカート率が高いが、40代以上の女性でスカートを履いている人は、銀座あたりまでいかないとなかなか見られない。

地元サバーバンの街では、もうママ以上世代のパンツ率100%といってもいい。

 

もったいない。

わたしは声を大にしていいたい。

スカートが履けるのは女性だけだ。

スコットランドの男性と、初代「暮らしの手帖」編集長花森安治さんをのぞく。あ、あとときたま見かける「装苑」系の男の子ものぞく)

 

女性は、スカートの内側で脚と脚とがぶつかることで女になっているのである。

ぶつかるたびに、女、女、女、という雰囲気が生まれる。

パンツで脚が右と左に分かれていると、ぶつからず、女の雰囲気も生まれない。

 

わたしは「いくつになっても」という表現が好きではないが、ここはやはり、いくつになっても、脚と脚とはぶつけたほうがいいと思う。

女性に生まれたのに女らしくなくていい、というのは、この美しい世界にいながら自分は幸せでなくていい、といっているのに等しい。

 

ボーイッシュな好みの人も、考えてみて。

ボーイ「ッシュ」になれるのは、女の子だけだ。

宝塚の男役スターだって、公演ではしばしば女性の姿で踊っている。

オスカルだって、フェルゼンに見せたくてドレスを着たではないか。

 

頃は初夏。

スカートよりもさらに女らしい、ワンピースの季節がやってきている。

パンツはクロゼットにしまって、スカートで、またはワンピースで出かけよう。

街に「女、女、女」の雰囲気を加えにいこう。

あなたという女らしさは、あなたにしか醸し出せないのだから。