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羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

番長の祈り

息子となにげなく見ていたお昼のテレビ番組で、10分でメイクをしてくれるスタジオが紹介されていた。

合コンや同窓会前の女性たちに大人気、だそうで、これまでの利用者が25000人とか。

 

25000人とはすごいものだと単純に感心したが、取材に答えているチーフのメイクが、美容番長的に見て、かなり、垢抜けていなかった。

まあ待て、紺屋の白袴という言葉もある、とお客さんの例とスタジオでのメイク例を見たのだが、やはり、はっきりいって、これでいいのか、という感じだった。

(「これでいいのか」は「これでいいのだ」の対義語)

 

「大人気」に集まる女性たちの満足とはこのレベルなのか。

これでいいのか、とふたたび思った。

 

女性たちよ、もっと目を開こう、高みを目指そう。

メイクというものは、もともとの顔立ちとは関係がない(といいきる)。

年齢とも関係がない(ともいいきる)。

「きれいになろう」と自分で決めて、そのときから始める変身(メタモルフォーゼ)だ。

 

同窓会のときだけきれいにしてもらっちゃお、じゃなくてね。

毎日が、きのうよりきれいになる、という前進のことなのだ。

 

そして、メイクといえば塗りたくる、とか、華美になる、というものではない。

いまは、塗ってないように見える軽いファンデーションと、ほとんど色を感じさせない色物遣いがトレンドだ。

といって、ノーメイクとは違う。

顔を洗練するのがメイクと思って欲しい。

 

第一には自分のため。

きれいになっていくさまを自分に見せるためにメイクする。

次に、笑顔を見せたい人のため。

メイクで艶を出した頬をさらに輝かせて会いたい人のためにメイクする。

 

旦那さんや恋人に限らず、こどもだってともだちだって、教え子だって、心から愛する人たちためにメイクしよう。

きれいになることを喜んでくれる人は、家にも外にもたくさんいる。

 

年だから、しわだからシミだから、かさかさだから、口紅はすぐ落ちちゃうから、などのいいわけは、番長には聞こえない。

いまがどんな状態でも、そこから始めれば、必ずきれいになっていく。

 

美容番長三種の神器、チーク、口紅、マスカラ。

つける順番もこの通り。

ぜひとも揃えて、てっとり早くは、デパートの化粧品売り場でアドバイスをしてもらって。

そのひとときだけで、もうさっきまでとは違う自分を知るはず。

 

自分なんか、と思う人は自分しかいない。

あなたなんかメイクしたってきれいにはならないわよ、とともだちにはいわないでしょう。

だったら、自分にもいわないで、きょうから、きれいになりましょう。

 

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