羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

日比谷三昧

この一月で、日比谷に6回通った。

 

まずは娘と東京宝塚劇場へ。

その二日後、日比谷シャンテにあるドレス店に娘の成人式のドレスをわたし一人で買いにいく(娘本人は観劇した日に試着済み)。

12日後、友人とシャンテ近くの喫茶店で会う。

その週末、思いがけずもう一度同じ宝塚公演を観られることになった。

1週間後、別の友人と上の喫茶店で会う。

そして今週水曜日、再び娘と宝塚劇場へ。

 

もう、日比谷に引き寄せられるなんてものじゃない。

日比谷に引っ越したほどの勢いだった。

娘との宝塚観劇二回はそれぞれ3か月くらい前に決まっていたものだが、間に4回、つぎつぎに詰まっていったのだ。

 

この水曜日6回めに、有楽町駅の日比谷口から出て、スバル座のあるビルのほうへ信号を渡るとき、引っ越しの冗談ではなく、本気で家に帰ってきたような安らぎを感じた。

 

観劇もそのあとのお茶もつつがなく終えて、国立の部屋に戻ってベッドの上で、一日に見た風景を思い起こしていると、目に入ったなにもかもが鮮明に見えてくるのだった。

スバル座の看板のポスターに載せられた山之内豊の無精髭までも。

 

さらに見えてなかった部分まですっかり頭のなかに描ける。

入らなかったコーヒーショップやコンビニの店内すら。

日比谷劇場街の一帯が、わたしのジオラマになってしまったのだ。

 

そこにあるものは、心のなかではすべてがわたしのもの。

東京宝塚劇場のショップのブロマイドだって1枚残らず。

非常に、心楽しい。

 

 

 

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