羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

Daisy

毎日着けている指輪がある。

デイジーを象った銀製で花芯はゴールド、茎を指に巻きつけたようになっている。

花がかわいらしかったのもさることながら、茎が自然に波うっているところが気に入った。

 

デイジーは花占いの花。

愛してる、愛してない、愛してる...

花びらを一枚づつむしっていくのは酷ではあるけれど。

 

この指輪を買う前に、わたしは花びらの数を数えた。

一か所で花びらと花びらが少しだけ離れているから数えやすい。

愛してる、愛してない、愛してる、愛してない...

愛してる、で終わった、15枚。

安心して買うことができた。

 

指輪を褒められたときにこの話をすると、目を輝かせたりなかには潤ませたりする人がいる一方で、だああっと脱力してしまう人がいる。

前者とだけおともだちになりたいものだが、すでに親しい人のなかに脱力派がけっこういるので、わたしのほうががっかりである。