いまがいちばん
同級生が集まると「加齢なる嘆き」が始まるようになった。
中学高校続いた女子校なので、何百回集まっても女性ばかり。
さっぱりしたものなのだけれど、それだけに、なのか、嘆きはかなりマジである。
知力体力の衰え、体型変化、肌の悩み、モチベーションの低下...
わたしにも気がかりがないわけではないが、どんな状態にあっても、自分をけなしたくないという頑なともいえる気持ちがある
自分にけなされたら、誰が慰めてくれるだろう。
周りの人はもしかしたら「そんなことないよ、まだまだぜんぜんよ」などといってくれるかも知れないが、そのために人に嘆きやぼやきを聞かせるというのも、楽しかるべき時間の無駄遣いではなかろうか。
もう一つ、わたしが加齢を嘆かない理由がある。
かつては体力がまったくなくて、なにをするにもいちいち疲れていた。
少し元気になってきたところでこどもが生まれて「子育て幽霊」といわれるほどの状態に。
いまそのころの写真を見ると、こどもたちも「ママやせてたねえ」というし、自分でもまるでかげろうのようだと思う。
体力がついてきたのは、ほんのこの数年なのだ。
だから「若いころ」にできなかったことがいまできる、なんてことにもなる。
体型も、中年太りと区別がつかないという指摘もあるが、手足はいまがいちばん太い。
以前は『バグズライフ』の蟻みたいだったのだから、いまは毎日がうれしく楽しい。
このままいって、いまがいちばん元気なのよ、と喜んでいる老婦人になれたらいいなあ。