born to be free
そんなモンブラン王女の娘。
マイペース、という言葉がまるで存在しないくらいにマイペースで成長した。
去年のこと、わたしは彼女に聞いてみた。
「自由になりたいと思ったことある?」
彼女はちょっと微笑んで見せてから、
「人はもともと自由でしょ」
と答えた。
あ、そうですよねええ、その通りですうう、と下手なインタビュアーのようにうなづくわたし。
とっさにそんなふうに答えられるなんてたいしたものだと、親ばか全開で感心したが、彼女が「もともと自由」でいられるのは、わたしのおかげもあるんだな、と自己評価もした。
つまり、押さえつけたことがなかったのだ。
縛ったこともなかった。
そう思うと、安堵した。
「わたしはもともと自由」でなかったこともうれしかった。
「人はもともと自由」。
不自由に感じるのは、そこをなにかに遮られたり、覆われたりしているだけ。
自由というものをどこか外に探しにいくのではなくて、かぶさっているものを除ければいいだけ。
わたしも娘にならい、そのように生きて、たまにいってみたい。
「もともとよ」