羽生千夜一夜 

羽生さくる 連続ブログエッセイ

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

はこうよ、スカート2

大人スカート運動を開始したばかりというのに、きのうはスパッツを履いて遠出してしまった。 (暑かったから...) たしかに身軽で、愛用者が多いのもうなづける。 うなづけるが、身軽なだけに動きが「ひょいひょい」してしまって、エレガンスからは遠ざかる…

シャンデリア揺れる

日比谷で同級生たちと会食していたら地震。揺れが長く、重そうなシャンデリアがいつまでも揺れていた。東北大震災のときもレストランのシャンデリアの下にいた。怖かったのと、家に帰りつくまでの寒さを思い出した。今夜も有楽町ではJRが動いておらず、有楽…

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こどもは外出するとき、いろいろなものを持っていきたがる。 息子の最初は、電車のおもちゃだった。 手に握り込めるような小さなものから始まって、だんだんに大きくなっていった。 プラレールの3両つながりのをひきずりそうにして持っていたこともある。 つ…

句会から帰って

吟行句会第二回。 帰国している級友の歓迎行事でもあり、参加者のなかには高校卒業以来初めて再会する同士もいて、盛り上がるまいことか。 ランチをはさんでの散策とおしゃべり。 コアになる、作句の時間は15分ということで、中学入試以来(いったいいつの話…

美容番長一人遊び

真夜中の自撮り遊びをしていたら、あやうくブログを書くのを忘れそうに。メイクを落とす前に、眉毛をいつもより太く描いてみて、写真で様子を見たり、チークの加減を試したり。一人でやってることだから、誰にも迷惑はかからないとはいえ、誰にも見られたく…

born to be free

そんなモンブラン王女の娘。 マイペース、という言葉がまるで存在しないくらいにマイペースで成長した。 去年のこと、わたしは彼女に聞いてみた。 「自由になりたいと思ったことある?」 彼女はちょっと微笑んで見せてから、 「人はもともと自由でしょ」 と…

モンブラン

入園して1か月半、なかなか周囲になじめないという女の子のママの話を聞く。 たった1か月半だもの、なじめないのは無理もない、と励ます。 そもそもまだ3年しか生きていないのに、なにかが「遅い」なんてことがあるだろうか。 「早い」子はいるのかも知れな…

天パー顔

生まれてこのかた天然パーマのわたし。 略して天パー。 これからの季節、カールは激しくなるばかり。 その上一本一本細いので、寝て起きるだけでからんで鳥の巣状態だ。 美容室で、スタイルブックを見ると「天然ウエーブのようなゆるパーマ」をかけた長めボ…

青春の演劇

舞台美術を学ぶ過程にある娘と、この2年ほど、ミュージカルや宝塚を観ている。 きょうは縁あって、娘にとっては初めての小劇場でのストレートプレイ鑑賞。 俳優さんたちの感情の波が、すぐそこから強く伝わってくる。 2時間の公演が終わって、娘はもちろん、…

巻き尺

黙ってなにかを観察して、それについて考えて、自分のなかで言葉にする。 わたしは時間のほとんどをそうやって過ごしている。 見たものから以前考えたことを思い出して、またそのことについて考え、言葉を上書きもしている。 観察と言語化からは起きているあ…

いかづち

けさがたの雷は、いまだかつて聴いたことのない音と響きをもっていた。 目が覚めてすぐは、なんの音かわからなかった。 大変なことが起きたのかも知れないと思い、怖くて外が見られなかった。 音の通りの大変なことなら、外を見たくらいではどうにもならない…

はこうよ、スカート

街で見ていると、女性のほとんどはパンツ姿だ。 女子大生以上ママ未満ではスカート率が高いが、40代以上の女性でスカートを履いている人は、銀座あたりまでいかないとなかなか見られない。 地元サバーバンの街では、もうママ以上世代のパンツ率100%といって…

mindfulness

ティク・ナット・ハン師が説く「マインドフルネス」。 いま、ここ、に集中して、存在すること。 意識的な呼吸をし、意識的に歩くことで実践できるという。 わたしには幼時から、時間の外に出てしまうような感覚があった。 周りのすべてから遠ざかり、一人き…

上から順に

駅のプラットフォームにいるときなど、年上の女性になにか聞かれることがよくある。わかる範囲で答えるのだけれど「ありがとう」が聞こえないうちに彼女たちは去っていく。最近では、もう、これはそういうものなんだとあきらめていた。すると先日、街なかで…

お茶写真

そしてSNSには飽きもせず、お茶情景を撮影しては載せているのだけれど、あまりにおびただしいので、最近は遠慮がちだった。 すると友人たちから、わたしのお茶写真を見ると「ほっとする」という声が。 「自分も休んでいいんだと思える」といってくれる人もあ…

総額

わたしが外でお茶を飲みすぎていることは明らかだ。 自分のお小遣いでお茶を飲みはじめたのは電車通学を始めた中学生のとき。 それからいままでにお茶に支払ったお金はおそらく、数百万円だろう。 いわゆる「外車が買える」金額。 土地があれば家も建つかも…

山べにむかいてわれ

ミッションスクールの母校で、校歌についでよく歌われる讃美歌301番。 山べにむかいてわれ 目をあぐ 助けはいずかたより きたるか 山に向かってわたしは目を上げる 助けはどこからくるのだろうか 卒業してからも、つらいときにはこの讃美歌を思い出していた…

薔薇園にて

バラを育てているともだちが、車で10分ほどのところにある薔薇園に連れていってくれた。 百花繚乱というけれど、ここはバラだけで90%。 それも百種類ではきかない、数百種あるだろう。 あまりのことに、脳の薔薇感応細胞(これまでの一生で薔薇を見てきた経…

号泣三本

まずはお詫びと訂正。 立川シネマシティの貸し切りは、現在も会員になればできるそうです。 これを励みにがんばります。 そして、貸し切り上映作を選ぶにあたって、かつてもある雑誌のためにたくさん考えた、このテーマで三本、というのをここでも書いてみよ…

貸し切りの野望

隣町立川には映画館が二つある。 シネマシティ1とシネマシティ2。 わたしはもう7年くらい、ここの会員になっている。 年会費1000円で、平日はいつでも1000円、土日祝日は1300円で観られるので、大変お得だ。 が、しかし。 いまこれを書こうとしてサイトをチ…

あまあまママ

こどもたちの話にきょうは戻ろう。 母親として、わたしはごくごく甘いタイプだ。 彼らが幼いころ、欲しがったものは、ほとんどすべて買ってやった。 サンタさんにお願いしなさい、はいったけれど、お誕生日まで待ちなさい、は一度もいったことがない。 公園…

I am here for you 2

愛とはただ在ること... 一夜明けて考えてみると、自分のしてきたことを、そう「だめだった」「なってなかった」と否定することもないかな、と、ちょっと尊大気味に。 そのときそのときには「いまはこれが精一杯」(by ルパン三世)だった。 わがままだったこ…

I am here for you 1

映画の前に時間が空いて、書店に寄った。少し前から読んでみようと思っていたティク・ナット・ハンの著書のコーナーがあった。ハン師は、ベトナム生まれの禅僧であり、平和・人権運動家。いま、ここに集中して、日常生活のなかで気づきつづけるための瞑想を…

痛みとともに

よそったばかりの豚汁に、お椀を持っていた左手の親指を突っ込んでしまった。 ラーメン屋さんのやる気のない店員みたいな形だと瞬間思ったが、そんなこといってられない熱さ。 豚汁って脂が溶けてるから、豆腐とわかめみたいなスタンダードなお味噌汁より温…

大問題

人から見たら、どうでもいいようなことが、自分にとっては大問題、ということがある。じっさい、おおかたの問題は人から見たらどうでもいいに違いない。そんなこと問題にしているのは自分だけなのだ。わたしのその種の大問題のうち、選りすぐりのものをお届…

エバミルクの雲

カウンターの向こう側の人の思い出をもう一つ。 実家のマンションのすぐそばに「クイーン」という喫茶店があった。 わたしが中学の頃に60歳くらいだった夫婦の店だった。 マスターは、手塚治虫のキャラクターにいそうな、鼻が高く顔立ちの整った人。 いつ見…

カウンターの内側

喫茶店やパーラーやレストラン、お寿司やさん。 わたしは、カウンターのなかの人に親しみを覚える。 いちばん最初のカウンターの記憶は、高輪のボウリング場だ。 レーンのフロアの一段上は、広いロビーになっていて、その一角にカウンターだけの喫茶店があっ…

添削のたより

片づけの最終局面、昔の手紙に至る。 これはしばらく前に整理してあり、改めて見ても、大切なものしか残していない。 なかに、1998年の夏の終わり、俳人の西脇はま子さんが、わたしの二十句余りを添削してくださった一通もあった。 はま子さんは、鶉句会の後…

鶉句会時代

先日書いたように、同級生のグループで句会を始めた。 主宰以外は初心者なのだけれど、じつはわたしは以前戯れに、母を背負ったのではなくて、戯れの句会に参加していた。 宗匠もたんなる俳句ファン、メンバーはわたしも含む「宗匠」の仲間内と、わたしの実…

まん「じゆう」こわい

このブログでは、過去のことをよく書いている。 振り返って見るのが好きなのだ。 もう起こってしまって動かないこと描写するのは、たとえていえば風景画を描くような感じ。 じっくり取り組める。 いっぽう、未来のこととなると、ほとんど考えていない。 なに…