運動会の徒競走のときだったのよ。 彼女は笑顔になって話しはじめた。 ゴールしたら、トラックの内側に入って、順位の旗の後ろに並んで座るでしょう。 次々にゴールしてくる組がいる。 周りは大歓声。 トラックをはさんだ向かいには低学年の子たちが小さな椅…
自分が自分になったのはいつか。 物心つく、という言葉があるけれど、それは幼い時期のある日、ふいにやってくる瞬間だと思う。 そこから、人生のゆくてに向かって、リボンのリールが投げられる。 伸びていく細いサテンの艶。 切れることのない意識の一筋。 …
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